「お気に入りの香水だけど、もう少しだけ香りを穏やかにしたい」「買ったばかりの香水の香りが思ったよりも強くて、シーンによっては使いにくいかも…」そんな風に感じたことはないでしょうか? つい「水で薄めたらどうだろう?」と考えがちですが、水を混ぜてしまうことで香水の品質が悪くなってしまう場合があります。 本コラムでは、香水を水で薄めてはいけない理由や香りの魅力を保ちながら安全に薄める方法、そして香りを上手にコントロールする使い方について、詳しく解説していきます。
香水は水で薄めるのはおすすめできません。なぜなら、水を加えることで香りのバランスが大きく崩れてしまい、元の香りが損なわれてしまうからです。
多くの香水は、香料とアルコールを混ぜて作られており、均一に香りが拡散するよう綿密に設計されています。ここに水を加えてしまうと、溶液全体の性質が変化し、香料が分離したり、白く濁ってしまったりすることがあります。一度香りのバランスが崩れた香水は元に戻すことはできません。
さらに、水道水に含まれている塩素などによって香りが変質したり、水分が肌に残りやすくなったりするなどの影響が出る場合もあります。
香水は、調香師が細かく香りのバランスを設計して作っています。そのため、水を加えてしまうと香りのバランスが崩れてしまいます。もし香水の香りが強いと感じても、水で薄めることは避けましょう。
香水の香りを和らげたい場合は、水ではなく無水エタノールや精製水の使用がおすすめです。
ただし、無水エタノールで薄めると香りの印象が変化したり、香水の最初に感じる「トップノート」が変わりやすくなったりする傾向がある点に注意しておきましょう。
清潔なガラス製のアトマイザーやスプレーボトルを用意し、香水と無水エタノールを2:8ほどの割合で混ぜます。この割合は目安ですので、最初は少量ずつ試して自分好みの強さに調整しましょう。時間の経過とともに徐々に香りになじんでくることもあります。ただし、基本的にはその日のうちに使いきれる量を少量ずつ作るのがおすすめです。
実際に使う前には腕の内側などに少量つけて、肌への刺激がないか必ずテストしてください。無水エタノールは薬局やネット通販で簡単に手に入りますが、引火性がとても高いため、必ず火の気のない場所で使用してください。
無水エタノールがない場合は精製水を使うこともできます。香水と精製水を8:2ほどの割合で混ぜて使うのが一般的ですが、精製水は保存料が入っておらず雑菌が繁殖しやすい点に注意が必要です。アトマイザーやビーカーなどの器具は必ず消毒すること、希釈した香水は冷蔵庫などの冷暗所で保管し1週間以内には使い切ることが大切です。
香りがぼんやりとした印象になることもありますので、まずは少量で試して好みに合わせて調整してみてください。液体に変色や濁りが見られた場合はすぐに使用をやめましょう。
香水を付ける場所を変えることでも、香り方に変化を加えることができます。たとえば首や手首など体温が高い部分は香りが広がりやすく、しっかりとした印象を残します。足首やひざ裏など体の下の方につけると、動きにあわせてほんのりと香りが立ち上がります。ワンプッシュだけにするなど量を控えめにすれば、より自然に香りを楽しめます。
空中に香水をスプレーし、その霧の中をくぐるという方法もあります。この方法であれば髪や衣類にほんのりと香りが移り、重たくなりません。香りのコントロールがしやすいため、香水初心者や強い香りが苦手な方に特におすすめです。
また、香水をスプレーする回数によって香りの強さを調整することもできるため、その日の気分や利用シーンに合わせて調整してみましょう。
香水を肌に直接つけるのに抵抗がある場合は、使い方を少し工夫するだけで香りの印象を変えることができます。たとえば無香料の保湿クリームに香水を混ぜてオリジナルのボディクリームを作る方法や、香水を少し付けたハンカチやスカーフをバッグに入れておく方法がおすすめです。
香水の香りが強くて使いにくい場合や飽きてしまった香りがある場合は、アレンジを加えてルームフレグランスやボディミストとして活用しましょう。身に纏うだけではない香水の楽しみ方をご紹介いたします。
ボディミストは香水よりも香りが軽やかで気軽に使えるアイテムです。清潔なスプレーボトルに精製水と消毒用エタノール、そして香水を数プッシュ分加えてよく混ぜれば完成です。
お風呂上がりやリフレッシュしたいとき軽く全身にスプレーすればふんわりと香りを楽しめます。
使い切れない香水はリードディフューザーとして部屋の香り付けに使うこともできます。ガラス瓶に香水と無水エタノールを混ぜリードスティックや竹串を挿しておくだけで、部屋全体に香りが広がります。
スティックの本数で香りの強さが調整できるので、自分の好みに合わせやすいところも魅力です。玄関やトイレなど、狭い空間にもぴったりです。
香水は枕カバーやカーテン、クッションなどの布製品に軽く吹きかけてリネン用スプレーとしても使えます。ただし変色やシミになりやすい素材もあるので、必ず目立たない場所でテストしてから使用しましょう。お部屋のリフレッシュに、香りで気分を変えてみるのも素敵です。
スパの温水プールや自宅のお風呂などでも使える水用のフレグランス「ウォーターパフューム」をご存知でしょうか?
加湿器やアロマディフューザーで香りを楽しむのはもちろん、湯船に数滴加えてリラックスできるバスタイムを過ごしたり、浴室やプールなど水を使用する空間全体に香りを広げたり、様々な用途で使用できる製品です。
加湿器やディフューザーに使用すればリビングや寝室に優しく香りが漂い、芳香剤のような役割を果たしてくれます。また、湯船に加えればまるで高級スパにいるような心地よい香りが浴室内に広がり、日常の空間を癒しの場に変えてくれるでしょう。
エッセンシャルオイルやアルコールが含まれていないため、加湿器のタンクの水に混ぜて使用しても故障する心配がない点、加湿器内に油膜が張らずお手入れがしやすい点もポイントです。
KIKAOのウォーターフレグランスについて詳しく知りたい方は、ぜひ以下のページもご覧ください。
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香水の香りを和らげたいとき水で薄めてしまうと香水が変質してしまうことがあります。
そのかわりに無水エタノールや精製水を活用すれば、香水の魅力を損なわずに香りを調整することができます。また、香水を付ける部位や付ける量の調整、ボディミストやリードディフューザーへのアレンジによって香水をより使いやすくすることも可能です。
ほんの少しの工夫で香りが和らぎ、ふんわりと心地よく香るようになるでしょう。
お気に入りの香りをもっと活用するためにも、今回ご紹介した薄め方やアレンジ方法を、ぜひお試しください。
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